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緑内障と眼圧は関係があるのか


緑内障はつい最近まで、眼圧の上昇により視神経が圧迫されて障害を起こす病気と定義されていました。

今でもその定義は変わらないのですが、それに加えて眼圧が正常であっても視神経が圧迫されて障害を起こす正常眼圧緑内障という病気が増えてきたことから、緑内障は視神経乳頭の変化やそれに対応する緑内障性視野障害を認める病気という、ちょっと複雑な定義づけに変更されました。

ここでは眼圧が緑内障にどのような影響を与えどのような関係があるのかを解説します。

1.7緑内障と眼圧


緑内障が起こる3要素

これまで眼圧検査をしていれば緑内障は発見できるという考え方が一般的でしたので、緑内障の検査はこれまで眼圧検査が中心でした。

しかし眼圧は正常なのに緑内障になる正常眼圧緑内障が増えてきたことから世界的に注目を集め、これまでのような常識がずいぶん変わってきたようです。


緑内障とは、眼圧が原因となって視神経が壊れていき視野が欠けていく病気であることからも眼圧の検査だけでは不十分なことがわかり、視神経や視野の検査が必要となってきます。

緑内障は「眼圧の上昇」だけでなく「視機能障害」「視神経障害」この3つの要素によって起こる病気なので、緑内障は、眼圧の高低だけで説明することはできません。

しかし一方で正常眼圧緑内障も含めてすべての緑内障は眼圧と深い関係を持っているといわれています。


眼圧と房水の関係

眼圧房水には深い関係があり、眼球に張りを与えているのが眼圧で、眼圧は房水の流れによって生じます。

房水は、目に張りを与えたり角膜や水晶体に栄養や酸素を届け老廃物を運び出す働きを持つ液体で水晶体と角膜の間を流れ毛様体というところから出ていきます。

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眼球はある程度の張りがあることは目を少し押してみたりするとわかると思います。

この張り具合が張りすぎていたりふにゃふにゃと柔らかすぎたりすると、眼球は十分に機能することができないので目からの映像をうまく取り込むことができないのです。


房水の循環異常

緑内障の原因のひとつである眼圧上昇はなぜ起こるのでしょう。

房水は毛様体というところで作られますが、毛様体は毎分2~3マイクロリットルの房水を作っています。

新しく作られる房水の量と隅角から出ていく房水の量が等しければ眼圧は常に一定です。

しかし何らかの理由で房水の排出量が産生量を下回ると房水が過剰になり眼圧が上昇することになります。

隅角からの房水排出が減少するのには、隅角そのものが閉じてしまう閉塞隅角タイプと、隅角は広いままでその先の繊維柱帯やシュレム管がつまる開放隅角タイプがあり、排出路に通過障害が起こるためにおこります。

このことからも緑内障は房水循環の異常であることがわかると思います。


正常な眼圧値

眼圧は血圧同様、mmHgであらわされ、10~20mmHgが正常の範囲です。

眼圧が21mmHg以上であれば眼圧が高いことになりますが、眼圧は1日の時間帯や季節、測定時の体調などの条件で変動するので1回の測定だけで緑内障と決めるわけではありません。

これは血圧と同じで季節、体調、ストレスなどでも変わります。

そこで眼圧を基準に緑内障かどうかを決めるには何度も眼圧を測ってみなければなならず、常に基準値を上回っていれば眼圧が高いとみなして緑内障を疑う必要が生じます。

このことからも眼圧を一度測定して21mmHg以上だったとしてもすぐに緑内障と悲観することはないですし、また高眼圧症と診断され眼圧が高くても視野に異常を生じない人もいます。


一方眼圧が正常だとしても正常眼圧緑内障を起こす方がいるので全く安心するわけにはいかず、眼圧はあくまで一応の目安と考えるべきです。

なお緑内障の患者さんの中にも自分の眼圧がどの程度か知らない人がたくさんいます。

眼圧を気にしすぎる必要はありませんが、セルフケアの面から考えると全く知らないのも問題です。

眼科で受診すればわかりますので一度足を運ぶことをすすめます。


眼圧が高くなると視機能障害を起こす

眼圧が高くなると視神経が圧迫され傷つき、視機能障害を起こす可能性が高まります。

眼圧上昇は眼球の前方である前房内の房水過剰によっておこりますが、眼球内には眼圧が等しくかかるので前房内の圧力が高くなるとそれに影響されて硝子体内の圧力も高くなり、硝子体に接している視神経や視神経の集合部である視神経乳頭を圧迫して傷つけるのです。

視神経乳頭にある神経線維は非常にやわらかく急激に眼圧が上がるとすぐに押しつぶされてしまいます。

また眼圧がそれほど高くなくても眼圧上昇の期間が長ければやはり徐々に傷ついていきます。

こうして神経線維の数がしだいに減っていくと、視神経乳頭は十分な機能を果たせなくなり視力が低下したり視野が欠けたりするのです。


視神経繊維の数が減ってしまうと神経乳頭に変化がみられるようになり、これは眼底検査によってわかるので緑内障の診断には眼底検査が欠かせません。

視神経の傷害の程度は眼圧の程度とその継続期間によって決まり、たとえば隅角が完全に閉じて眼圧が急上昇すると視神経の傷害が急速に進み放置すれば1~2日で失明する危険があります。

一方開放隅角タイプの緑内障では眼圧はそれほど高くないので視神経の傷害も慢性にゆっくり進みなかなか症状が現れないのが特徴です。



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